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犬鳴村のmatchypotterのレビュー・感想・評価

犬鳴村(2020年製作の映画)
2.9
前回は『リング』の中田監督の松竹配給『事故物件』。
今回は『呪怨』の清水監督の東映配給『犬鳴村』。

それぞれタイプの違うホラー。
こっちは『事故物件』でも触れた、ガッツリ恐怖に飲み込まれる系。

ただ、怨霊的な要素の中に他の要素が入ってる。
まぁそこは深く触れまい。このタイトルが全て。

まず、、、やっぱり!と思ったがやっぱり。

見たことあるトンネルだな、と思ったらやっぱりトンネルのロケ地は東京の青梅市の“旧吹上トンネル”。
知名度は全国区のマジの心霊スポット。

割と地元に近めなので、学生の時に地元の友達と何度か肝試しをしに行った。夜は真面目に怖い。

トンネルの中で無点灯のままクラクションを鳴らして進むと女の霊が出る、とか、入ってから振り返ると連れて行かれる、とか、本当の心霊体験が存在する場所。

ただ、この“旧吹上トンネル”。近くに街灯もあるので、真っ暗ではない。何となくは先も見える。
が、実はさらに近くの脇道に入ると、、、“旧旧吹上トンネル”がある。
そう、マジの心霊スポットのさらに上をいく、トンネルがある。
“旧”でなく、“旧旧”。レジェンドの上のレジェンド、ってこと。

そこは完全に入り口付近にマジの立ち入り禁止のフェンス。
そのフェンスに近づくと、、、何も見えないトンネルの奥から滴がピタッ、、、ピタッ、、、と落ちる音だけがただただ聞こえてた記憶がある。

ホントに一寸先は闇だった。
目をしっかり開けて、トンネルの奥を見てるはずなのに、まるで目を閉じてるかのような闇、あれはヤバかった。マジのやつ。

そして、犬鳴村、もいちおうルーツはある。
福岡県の「犬鳴峠」。そこは事故も多く、心霊スポットとしても有名。その峠にある旧犬鳴トンネル。ここの近くにある道を入ると「犬鳴村」に繋がる、と言われている、らしい。

そこも、その村落が異常な村落だったとか、まさにこの映画の冒頭シーンのように潜入してみたカップルが悲惨なことになった、とか。

どれもホントかどうかよくわからない、いわゆる「都市伝説」。

都市伝説って民話や伝承、時代の変化に伴う噂が元になることが多い。
「友達の友達のお姉ちゃんの彼氏がね、、、」
みたいな、それ、誰?でも、近いとこで起きてそう、みたいな情報源っぽいところの話にされて、それが広がる。

口裂け女、ミミズバーガー、犬鳴村みたいなダム建設に消えた村や人、呪いの人形、、、例を挙げればキリがない。

でも、火のないところには煙は立たない。
その都市伝説が伝説であったとしても、その元になる場所や現象や事件、は必ずある。

それがゾクゾクするのが都市伝説であり、本作。
本作もそうした伝説と事実の間を、表現や描写も絶妙なラインに描いてる。

話の持って行き方、と言うのか、織り交ぜる要素を多めに盛ってしまって、少しとっ散らかってしまっている感はあった。

しかも、最後は、、、、時間軸、変えてきた?
みたいなSF要素まで!ちょっといきなり過ぎてビックリした。

とは言え、ストーリーはしっかりしている。

だから、都市伝説や怪談話を見聞きするかのように、見た目でワーキャーのビックリ箱映画ではなく、ちゃんと背景や話を語ってくれるのでそこは興味深かった。
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