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火口のふたりのkoheiのレビュー・感想・評価

火口のふたり(2019年製作の映画)
4.1
試写にて。けっこう好き。登場人物は柄本佑と瀧内公美の2人のみ。彼らしかいないようにすら見えるこの世界には欲を満たすセックスと食事しか存在していない。あるいは過去を回顧する言葉だけが。かつて体の望むままに相手を求めた時季があった。世界が終末へと向かうなか、そのどうしようもなく虚無で、しかし圧倒的に豊かな日々が、彼らを再び温かく包みこんでいく。

冒頭こそ説明台詞の多さが気になるものの、会話と性交と食事だけ、食卓とベッドという舞台のみで120分弱見せ切ってしまうのだからすごい。会話劇としても、コミカルな身体劇としてもなかなかおもしろいです。そしてなによりも、「ある謎」を抱えながら話が進んでいく映画なので、最後まで緊張感をもって観られる。
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