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火口のふたりのFHTのレビュー・感想・評価

火口のふたり(2019年製作の映画)
4.7
今作、岬の兄弟を観た時の感覚に似ている。

作品全ての部分でリアリティーを追求。
更にはドキュメンタリーとの棲み分けが出来るような美しい切り抜き。

キャストは2人 柄本祐 瀧内公美
絵は99パーセントこの2人しか出てきません。

そしてシンプルなストーリーにも関わらず予想が出来ない場面展開。なのにリアリティーを感じてしまう絶妙な脚本。

本編の7割はこの2人のセックスシーンなんだけど、それに嫌気がささない不思議。
見事なキャスティングだと思う。
残りの3割の会話劇も、とてもとても素晴らしいんです!絶妙な間合いとさりげない仕草や行動。より親密な関係でないと出来ない挙動や遠慮のない立ち振る舞い。2人の過去の関係性が語られずしも感じ取れる。

東日本大震災を受け、特別大きな被害もなくただ閉鎖的な環境に陥った秋田県の話。

陸軍自衛隊との結婚を10日語に控えた直子は荷物整理の為、故郷秋田へと帰省した。
賢治の家に寄った直子は買い物に付き合ってもらう。
直子の実家に帰り荷物の整理をしていると直子は賢治との思い出のアルバムを手に取りそれを見せた。

直子の新居にお邪魔する賢治。
直子は「今夜だけあの時に戻らない?」これをきっかけにストーリーは進んでいく。

過激なシーンが多めだが、その合間合間にその人の真実が次々明らかになっていく。

この作品は人の本能、欲に生きる2人の物語だ。

愛は気付けば芽吹くもので意識などしなくていい事だと。


ラストの富士山のくだりはなるほどと思わされた。

そして最後、賢治が最初に着てた服を直子が来てるー!!細かい!
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