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クーリエ:最高機密の運び屋のSugarOnMeのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

2021新作#34

キューバ危機から回避した普通のセールスマンと作品紹介にある様に、スパイ映画ではあるが、訓練もしていないので物を運ぶ仕事しかしない、主人公グレヴィル・ウィン。ウィンがソ連で内通者のペンコフスキーとスパイ活動を通じて、食事や舞台を見て(白鳥の湖を見て感動する二人がとても良い)友情を深めて行くのが本作のみどころ。

スパイ活動はペンコフスキーが行うので、彼がしくじればウィンも疑われる。ペンコフスキーが暗がりで写真を撮るシーンは緊張感が漂う。しかし、先に怪しまれたのはウィンで、ホテルの部屋に置いてあった辞書が違う向きで置かれているのが分かり、見ているこちらも「ヤバい」と感じてくる。ペンコフスキーもソ連の同僚からウィンの事を聞かれるもしらを切り、何か分かったら教えてとタバコを貰うも、そのタバコには毒が盛られていて、ペンコフスキーにも危機が迫る。

ペンコフスキーが亡命出来ない事になり、MI6はとかげの尻尾切りでペンコフスキーを見捨てる。しかし、ウィンは友人を見捨てない。自ら救出にソ連へ向かう。ここからドキドキが半端ない。ソ連側にバれ、ペンコフスキーもウィンも捕まる。ウィンは丸坊主にされ、極寒の牢屋で汚物の匂いが漂い、ろくな物を食べさせて貰えない壮絶な日々。それでもペンコフスキーを見捨てかなったウィンに涙無しで見続ける事は出来ないだろう。激ヤセ、本当に頭を剃って全裸になった、カンバーバッチの演技は凄い。これだけでも本作を見る価値はある。

家族を守る為に、一切スパイ活動の話をせず浮気を疑われ家族崩壊にまでなりそうだったのに、奥さんがソ連までウィンに会いに現れたシーンもじーんと来た。

ウィンは釈放され、ペンコフスキーは処刑されてしまったが世界を救ったのが、男の友情物語である本作をぜひ見て欲しい。

ますますカンバーバッチと言う俳優が好きになった。
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