Newman

クーリエ:最高機密の運び屋のNewmanのレビュー・感想・評価

3.9
劇的なシーンがあるわけではないのに人を引きつける映画はいいですね。でも、前任のスパイは殺されたと言っています。そこから始めたら、劇的でもっと締まった映画になっていたかもなどと考えました。この映画、事実に基づくとしているからそんなに前任の死は劇的ではなかったのかな?カンバーバッチの東欧を行き来していた普通のイギリス人のセールスマン、グレヴィルの役は良かったです。だんだんスパイの仕事にのめり込んでいくことになるが、やはり、普通のセールスマン、怖いことをやるのは嫌だという。カンバーバッチの貫禄が、そんなことを言う役とも思えないんですけどなどと思いながら見ていました。クレヴィルが最後のとこで示す勇気(今時、男気何て書くと女性差別と言われてしまいそうなので)はかっこよかったです。えっそんなに親しい仲だったっけと思いましたが、ソ連の高官オレグの信念に気高いものを感じたからなのでしょうね。ソ連がキューバにミサイル基地を建設し、それに反発したケネディの話までは知っていましたが、トルコにアメリカ側がモスクワに向けたミサイル基地を建設していたことは知りませんでした。そう考えると、この映画は西側諸国から見たキューバ危機なのであって、ソ連側もアメリカにはたくさんスパイがいたんだろうし、資本主義の怪物が住む労働者を厳しく搾取する国を早く救わなければいけないと思いながらスパイ活動をしていたと見ることもできるわけかなどと思いながらですが、楽しめました。
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