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ラヴィ・ド・ボエームのnousagiのレビュー・感想・評価

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)
4.7
売れない三人の芸術家、画家のロドルフォ、作家のマルセル、作曲家のショナールの愛と友情の物語。
運命共同体のような仲良し三人組、ダメ具合が可笑しくて笑ってしまいました。三人が居るだけでにやけぱなしです。

ロドルフォに恋人が出来たことから状況が変わっていきます。
自分一人ならいいけれど、恋人が出来ると今までのようにはいかないことってありませんか?
彼女が喜ぶ顔がみたい、彼女を幸せにしたい、彼女と一緒に暮らしたい。と、いう思いにに反して厳しい現実や不運が立ちはだかります。
自分が食べていくのが精一杯のぎりぎりの生活。生活に必要な最低限のお金すらままならない状態です。
いつの時代も芸術で食べていくのは大変ですね。
彼らは、貧しくても誇りがあって、粋なんです。それがたまらなく愛おしい。

ある出来事により、自分が大切にしていたものを売ったり、違う仕事をしてまでお金を工面しなきゃならなくなります。

ロドルフォのひたむきさ、優しさ、愛情の深さが、切なくて切なくて胸がいっぱいに。
彼女のミミさんが一番わかっていたはずですね。

ロドルフォを演じたマティ・ペロンパーさんのすべてを物語っているような目の演技が素晴らしかったです。
ペロンパーさんの犬を連れて立ち去っていく後ろ姿の切なさったら……涙。

アキ・カウリスマキ監督ならではの人間賛歌、ぜひご覧ください。
本作の後日譚「ル・アーヴルの靴みがき」も良かったら合わせてどうぞ。
マルセルさんが出てますよ。
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