カタパルトスープレックス

ラヴィ・ド・ボエームのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)
4.8
アキ・カウリスマキ監督の最高傑作の一つ。フランス語作品。『ル・アーヴルの靴みがき』(2011年)でまたやりたくなった気持ちはよくわかる。

作家マルセル(アンドレ・ウィルム)、画家ロドルフォ(マッティ・ペロンパー)と作曲家ショナール(カリ・ヴァーナネン)は売れない芸術家同士でパリの片隅で身を寄せ合って暮らしている。ロドルフォにミミという恋人ができるのだが……という話です。アキ・カウリスマキ監督作品をよく知る人でしたら、その後の展開は察して知るべしですね。黄金のテンプレ。

貧乏人が運命の人と出会い、結ばれるが、困難が二人を翻弄する。そして、車と音楽と酒。今回はリライアンス・ロビンというイギリスの三輪車が登場。とてもかわいい。そういう小道具までいつものアキ・カウリスマキ。

ボクはアキ・カウリスマキの映画のような人生を歩みたかった。きっと、アキ・カウリスマキも小津安二郎の映画のような人生を歩みたかったじゃないだろうか。その人生を歩みたくなるような作品。貧しいながらも、好きな人と犬と一緒に暮らす。あとはパンとワインがあればいい。それだけなんだよ、本当に必要なのは。