しろやぎ

アスのしろやぎのネタバレレビュー・内容・結末

アス(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作『ゲット アウト』が面白かったので観賞。

ビーチに伸びる家族の影=もうひとりの私たちの存在を不気味に表していたり、赤服たちの凶器がハサミ=関係を裁ち切るための凶器だということを表現してるのかなーと想像させたり。考えさせる仕掛けが散りばめられている所が良かった。
かごの中の大量のウサギ、それを糧とする隠蔽された地下の人々、その存在にすら気づいていない地上の人々のヒエラルキー構造が、現代社会の格差・貧困問題を暗喩しているよう。前作の冒頭で使用されていた音楽『ラン ラビット ラン』を思い出させる。
この監督さんは、音楽の使い方が上手だなと改めて思う。恐怖や不気味さだけでなく、滑稽さも演出している。

友人一家=白人家族はアッサリ惨殺されたが、主人公一家=黒人家族はしぶとく懸命に生き延びたストーリーにも、まあ主役たちをそんな易々と死なせはしないのだろうけど、作者の意図を感じた。

エレミヤ記11章11節?のくだりは、キリスト教徒には馴染みがあるものなのだろうか?必ず意図があるのだろうとは鑑賞中にも察するが、キリスト教を知らない者からするとハテナが残る箇所だった。
11 11という数字の並び自体が、写し鏡の自分を表しているという様には納得可能だが。

プルートくんの最後は、ちょっと悲しくなった。遊び友達が欲しかっただけなのかなーと思うのに、火だるまは、ねぇ。。

ラストが良かった。
最後、母親の不気味な笑みを見た息子くんが、おもむろにお面をつけるシーン。きっと何かに気づいたんだろうね…そして、見たくないものは見えないようにする、エゴも表現されていたのだろうか。
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