小麦番長

アスの小麦番長のネタバレレビュー・内容・結末

アス(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

いや面白かった!!
事前に “ドッペルゲンガーの映画” と知り、なんとなしにドッペルゲンガーについて改めて調べてみて、『うわ!気持ち悪!』となったんですよね。
自分と同じ顔の人間が目の前に現れるのを想像してみたら‥‥
危害を加えられなくても嫌だ!!気味悪!!!
と。

そんな状態で観に行った本作。
『気味悪い』のオンパレードでしたねぇ。゚(゚´Д`゚)゚。
序盤はフツウに怖いし。

なんで息子はこんな危機迫る状態でもあのお面被んのよ!!(イラッ)
お父さん状況飲み込むの遅すぎでしょ(イラッ)
冒頭の音楽不気味すぎでしょ(イラッ)

もう、いちいち不気味にさせるセンスが秀逸。
ものづくりをする人なら、嫉妬するセンスじゃないかなぁ。ジョーダン・ピール監督、コメディ出身とは(驚)

Fuck the police のくだりとか凄い笑えたし、家族が『私は◯人殺ったんだから私の方が適任よ!』とか言い出して感覚がマヒしていく描写とかも上手い。

エレミヤ書11章11節??
冒頭の、アメリカには使われていない地下空間が今もたくさん残っている、だとか『ハンズ・アクロス・アメリカ』らに関しては町山さんの解説とか読むと良いんじゃないかな。ナルホド、となる。
これらの知識なくても十分楽しめたけど。

あのラストのオチはえ?!?え?!となってしまった。
あのオチが無くても十分面白かったからヨシ。
この映画は、あのオチを見て『やっぱりな!』『だと思った!』って推測を立て当たった事を喜ぶ作品ではない。
むしろそんな見方しか出来ない人はこの映画の良さを楽しめずソンしてるかと。

人はスグに人を『どちらか』に振り分けたがる。
勝ち組・負け組
だとかね。振り分ける事でマウント取りたがったり。
自分が “こちら側”に生まれたのは自分のせいではないのに、“あちら側” の奴らは『助け合おうね』と約束はしたけど、一時的なものにしか過ぎない。(ハンズ・アクロス・アメリカ)
奴らは自分がもし “こちら側” に生まれていたら‥‥ なんて想像してもみない。

インド映画『ヒンディー・ミディアム』を観てきたばかりだけど、どちらも貧困や差別を扱った作品なのに表現方法が全く違ってて、これもまた面白い。
小麦番長

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