このレビューはネタバレを含みます
ホラー×社会風刺
ただのホラーだと思いながら鑑賞していた所クローンが発した「We're American」の一言で、一気にこの映画が風刺である事に気付く。
後半の怒涛の伏線回収がすごい。
見ていてほんの少しでも「あれ??」と違和感を感じる部分には必ず意味がある。
アメリカの歴史や人種差別、格差社会、様々なものを痛烈に風刺する技法が天才的。
ググったらたくさんの素晴らしい解説が出てくるので鑑賞後に読むのをオススメ。
自分の中で解消されなかった「あれ??」についても解説してくれるものもある。
以下、個人的に他の解説でも出てこなかった気になる大きな点をひとつ挙げてみる。
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冒頭の文章に注目。
「アメリカには使われる予定だったが現在使われていない地下鉄用の大きな地下路が張り巡らされている」
これは全くの事実で、アメリカの地下には広大な地下路があり使用されていない。
ところが現在、この地下の中でとある新興宗教が発達し、地下の中で2世3世が育っている。地上に出る事は許されず完全に地下に閉じ込められながら生活している人達。
かろうじて脱出した者による告発で作られたドキュメンタリーでこの事実が明らかに。
しかしあまりにも衝撃的な内容な為、アメリカ国内でも大きく報道される事がない。
この見捨てられた人達を助けようと動こうとした政治家達が不自然な死を遂げる事態となっている。
他の解説では出てこない内容だが、私は見ていて真っ先にこの問題を考えたので、この問題への風刺も入っていると思う。