ハマボーイ

家族ゲームのハマボーイのレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
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高層団地に工場地帯。
舞台のセットのような非現実的な室内。
そこに佇む松田優作は、さながら殺人鬼、もしくは吸血鬼のようなフィクションでスリリングな存在で不穏だ。
ただただ不穏だ。

お互い向き合うことのない横並びの食卓で、向き合うことの無い沼田家。
横並びに次ぐ横並び。
会話をしているつもりが全て一方通行。
幼児性の抜けない父親に、ズレまくりの母親、籠もっていく優秀な兄に、クソ厨二病の弟。それぞれが多くは語らないが、そのキャラにぐいぐい引き込まれていく。
(トンチンカンな母親役の由紀さおりは特にハマり役!)
なんか怖いくらいの空気が流れている。
父が呟く
「バット殺人が起こっちゃうぞ」
じめっとした夜、寝苦しい時に見る夢みたいな映画だ。

シュールとリアルの狭間で揺さぶられまくる私。こちらの作品で松田優作処女喪失いたしました。
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