ユースケ

アイスマン 宇宙最速の戦士のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

ドニー・イェンの凄まじい立ちションで始まり、ドニー・イェン&ワン・バオチャン&ユー・カン&サイモン・ヤムの凄まじい連れションで終わった下ネタと笑いとアクションが詰め込んだ前作【アイスマン 超空の戦士】から約4年。地元の映画館では公開されなかったので、レンタル開始まで待ちに待った本作は、前作のみどころだった下ネタと笑いを排除した挙句、前作のみどころだった登場人物のキャラクターを改悪し、前作の評価まで下げるガッカリな一本。ワン・バオチャンをほとんど活躍させずに二度も殺した監督のイップ・ワイマンと脚本のマンフレッド・ウォンは死んで下さい。副題の宇宙最速の戦士って何だよ。

とにかく、登場人物の行動が行き当たりばったりで登場人物が馬鹿に見える脚本が諸悪の根源。
大虐殺が起こる事を知っていながら村人を避難させる事が出来ずにまんまとサイモン・ヤムの罠に落ちるドニー・イェンは馬鹿に見えますが、格好をつけて撃ったショットガンの弾丸が跳ね返ってタイムマシーンのカギを落としたり、一度聞いたら覚えられるくらい簡単な時空を超える呪文を覚えられなくて悩んだり、タイムスリップを利用して天下を取るとか言っておきながら具体的な作戦が無かったり、サイモン・ヤムはもっと馬鹿に見えます。

更に、ドニー・イェンとワン・バオチャン&ユー・カン&サイモン・ヤムとの少年時代やドニー・イェンと故郷の村人との交流など、感情移入を狙った安っぽいシーンと天安門の毛写真に敬礼するシーンや1927年にタイムスリップして日中戦争を10年間遅らせるシーンなど、政治的なメッセージを感じさせる安っぽいシーンにはゲンナリ。上映時間87分に永遠を感じました。

ラストバトルがドニー・イェンとぽっと出の倉田保昭との対決なのは仕方ないにしても、サイモン・ヤムがちょっかいを出す演出や電車と森を行ったり来たりする演出は謎だし、「歴史や運命は変えられない」とか言いながら分岐点からやり直し、「時空を往来するなどやってはならぬ事」とか言いながら「故に私が宇宙で唯一の時空の旅人となったのだ」というラストシーンには唖然。

分岐点を間違った最悪の結果をしっかり見せたんだから、ドニー・イェンがヒロインも村人も救い出し、ドニー・イェンがサイモン・ヤムもユン・カーも倉田保昭もチェン・カンタイもまとめてぶちのめす分岐点を間違わなかった最高の結果もしっかり見せるべきだろ。どうでもいいけど、サイモン・ヤムとラム・シューはいつ仲直りしたんだよ。