まりん

英雄は嘘がお好きのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

英雄は嘘がお好き(2018年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

これは、ヌヴィル大尉が好きに成れそうにないので、好きではないだろう・・と言う気持ちで観に行きましたが、傲慢なのは、寧ろエリザベット嬢でした。
勿論、ヌヴィル大尉はやっぱり好きじゃないし、隠しもせずに節操無いし。むしろ英雄は嘘じゃ無くて色を好んで居ましたが。
だけど、手紙の中に出て来る三人目の子供に引っかかったり、ハンセン病患者を表す表現に妥協しなかったり、我が軍は逃げない!と拘ったり、譲れない部分が何だか、善人を醸し出している。
いい加減な口先男な事には変わりはない。彼はむしろ喜劇役者になった方が良いんじゃないかな。

だけど。本当の戦争を語る時。絵空事を語り、作り上げた英雄像に悦に入っていたエリザベットは、己の傲慢さに気が付く。
本当の恐怖。本当の死地。それを体験し、運良く逃げられたとして、それを笑えるだろうか。安全の地に居て。
まぁ、他の人たちは英雄談の一つとして笑えるんでしょう。
だけど笑えないエリザベットは、ちゃんと反省して恥じ入るのだけれど。

この辺が上手い。喜劇にこそ、演じている俳優たちの力量を感じる部分。

変にべたべたした愛に転じなかった部分が好きかな。
まりん

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