げ

エクストリーム・ジョブのげのネタバレレビュー・内容・結末

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

コメディもアクションも手を抜かないエクストリームエンタメ映画。

韓国中から面白表情役者をかき集めてきてるんか?とにかく顔が多くを語る作品だった。
最初から最後まで常にコメディを維持し続け、且つ「ポンコツだと思ってた奴らが激強」っていうアツい展開をみせてくれる。

開始5分でプロジェクトAのオマージュかと思われる窓落ちがあったように、アクションがカンフー映画リスペクトっぽい。その場にあるものを使って戦っていくのかっこいい。
しかし、この映画で1番強いのはバスだった。
タウンバス=スクールバス>>>>>>>(越えられない壁)>>>>>>麻薬班>麻薬密売組織>刑事課
麻薬班の戦闘シーンはそれぞれの特性を生かしてたのも楽しい。柔道、コンバットサンボ、ムエタイのアクションも去ることながら、野球部なので忍耐強い(お前タンクなのかよ)だとか、とにかく死なないのでゾンビ映画の演出で襲いかかってくるとか、かっこいいと笑えるが共存しててアガる。

話の運びもとにかくテンポよく、一方で全て因果が結びつく巧みさもある。
チキン屋が廃業するので麻薬班が買取る→焼肉屋の息子がいたから絶品チキンができる→繁盛してメディアが来るも断ってしまったためプロデューサーのジャーナリズムに火をつける→さらに繁盛したため悪徳商売だとすっぱ抜かれる→そのせいで麻薬密売組織に目をつけれられる
どの人物も無駄なく役割を担い、それぞれの目的のための選択が物語を動かし、コメディのためのコメディシーンがないのがすごい。
また、「チキン」に込められた意味の多層性も面白い。コ班長の娘のセリフに現れる「庶民の味方」は警察官にも該当するし、「腑抜け」の意味で捉えても、ポンコツに見えた麻薬班の華麗な逆転劇につながる。この作品はチキンでなくてはならないと思えるモチーフだった。

アクション映画のラストシーンで幸せな恋人達がキスをするのは大概余計だし興ざめなんだけど、この作品に関してはちょっと別のベクトルのアプローチだった。撃っていい、撃ってくれよ頼む。

最高にスカッとする映画なので、チキンと炭酸をお供にワイワイ観るのが楽しいと思う。
げ