ShotaOkumura

ヨーゼフ・ボイスは挑発するのShotaOkumuraのレビュー・感想・評価

3.0
ちょっと想像より抽象的というか、断片的な映画だったなーという印象。
デヴィッド・リンチの半生をインタビューの音声メインで追っていく「アートライフ」と比べると、少し退屈だった。
まあリンチは今も生きてるから生の声を聞けるけど、ボイスはもう聞けないから、現存する資料をただ繋ぎ合わせた感じの形式になってしまうのは仕方ないなあと思うけどね。
むしろボイスの映像資料ってこんなもんしかないんかと思った。それでも貴重なインタビュー映像やら講義の様子が観れただけで嬉しいですが。
全体の印象として、ボイスの功績として最も有名な“社会彫刻”という概念だったり、作品の背景について深く掘り下げていくというより、ヨーゼフ・ボイスってこんな人だったんだなーっていう人間性みたいなところを提示してくれる映画かなと思いました。

ボイスのかっこよさってやっぱり誠実さなんですよね、僕はウォーホルも好きだけど、ボイスは人としてカッコいい。真に誠実なアーティストって結局は“他者のために何ができるか”というところに向かうと思うんですよ。それは敬愛するスピルバーグとかもそうで、人はみんなアーティストだと言ったボイスの社会彫刻という考え方は、自分なんて…と思ってる全ての人を勇気付けると思うんです。
全ての人間は生まれた時から個性をもってるんだから、思いついたことは何でもやればいいと思う。自分では気づいてないだけで、とんでもないアーティストはあなたかもしれないですよ。
みんな自由に生きような!
ShotaOkumura

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