かたゆき

ボーダー 二つの世界のかたゆきのレビュー・感想・評価

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
2.0
ずんぐりとした体形にごつごつとした無骨な顔、愛嬌があるとはとても言い難い不愛想な性格、そんな残念な見た目や性格のせいで子供のころからずっと不遇な生活を余儀なくされてきた女性、ティーナ。
だが、彼女には人並外れた臭覚があり、さらには人の秘密を嗅ぎ分けるという特殊な能力さえあった。
その特技を活かし、ティーナは北欧の港町で税関職員として地道に働いていた。
そんなある日、彼女は勤務中自分とよく似た外見を持つ不審な男性を見つける。荷物を調べてみると、中には大量の虫を入れたタッパーが。
問いただすと、男は自らを昆虫学者だという。もちろん法律的には何の問題もない。心に何か引っかかるものを感じながらも男を解放したティーナ。
数日後、彼女は森の中で大量の虫を集めているその男と再会する。しかも彼は集めた虫を密かに食べていたのだった。
だが、何故かティーナはそんな彼に親近感を覚え、家へと連れ帰ってくる。
そうして始まった社会のはみ出し者同士の共同生活。
やがて、ティーナは彼こそが自分の出生の秘密を知る人物だと知るのだった……。
北欧の寂れた田舎町を舞台に、そんな社会のボーダーから取り残されてしまった男女をミステリアスに描いた幻想譚。

テンポのいいストーリー展開や分かりやすいエンタメ要素などはほぼ皆無、終始静かに淡々と進んでゆくいわゆるアート系なそんな本作、なので評価のポイントとなるのはこの監督のセンスに自らの感性が合うかどうか。
正直な感想を述べさせてもらうと、残念ながら自分は全く合いませんでした。
とにかくこの主人公の外見が生理的に受け付けず、しかも似たような外見のおっさんまで出てきて嫌悪感が二乗されるという、ね。
さらにはこの二人が裸になって森の中を駆け回るわ、素っ裸のまま湖に飛び込むわ、挙句剥き出しの土の上で泥だらけでまぐわい始めるわでそのころには嫌悪感が三乗、四乗。
ダメ押しで、土からほじくり出したミミズや虫を口に放り込んでもぐもぐされた日にゃ僕の嫌悪感のリミットは見事に振り切れちゃいましたわ。
いや、汚すぎでしょ、この映画。
そこに児童ポルノ問題を絡ませることで、社会の美醜のボーダーを敢えてひっくり返そうという本作の狙いは分からんでもないですが、僕はそれ以前に生理的にムリムリなんですけどーー。
こればっかりは好みの問題なんで如何ともしがたいですね。
かたゆき

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