美醜の基準は誰が決めたの?
善悪の価値は?
感情を嗅ぎ分ける不思議な能力を持つ主人公のティーナは女性なのにペニスがあり、人間の基準で照らし合わすと醜い容姿をしている自分を、人より劣った欠陥のある存在だと感じていた。
ただその感情を嗅ぎ分ける特性を活かし、空港の税関職員として働く。
ある日、自分に似た不思議な男、ボーレと出会い、あるがままで完璧だと存在を肯定されるが....
————以下ネタバレ—————
不穏なクライムサスペンス要素と淡々とした日常映画のなかに、
彼女たちの容姿や性質は実はトロールだったからというフィンランドならではのファンタジー要素のある不思議なオチ。
美醜の価値基準や人間が定めた男女の役割も超えて、愛し合うトロルの姿は
それらに捉われて苦しむことが無駄だと問いかけてくる
ただ、個人的に蛇足だと感じたのはボーレが人間に復讐をしているという点
この話が入ることで訴えたかった価値のボーダーのメッセージ性がぼんやりしてしまうように思った。