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よこがおのpsychocandyのレビュー・感想・評価

よこがお(2019年製作の映画)
3.8
「淵に立つ」の深田晃司監督作品。

「淵に立つ」も素晴らしい内容でしたが、本作も非常に見応えのある作品でした。ストーリー自体も引き込まれる内容でしたが、やはり特筆すべきは、筒井真理子という女優の圧倒的な存在感。「淵に立つ」に続いての深田監督作品で、今回は主演。ご本人にはいささか失礼な表現になってしまうかもしれませんが、「幸の薄そうな女性」を演じさせたら彼女の右に出る人はいないのではないでしょうか。圧倒的な「負」のオーラ。本作でも、市子という平凡で庶民的な一人の女性が、とある事件をきっかけに、図らずも狂気の復讐劇に自らの身を投じてしまうことになっていく姿を、全く異なる2つの「顔」(市子/リサ)を変幻自在に切り替えながら演じています。

四つん這いになってワンワン吠える筒井真理子。正直、ストーリー構成上「それ、いるか?」と思えるシーンではありますが、そんな1シーンにですら、これほどの爪痕を残す女優。結果、個人的にはあまりに強烈すぎてしばらく夢に出てきそうな1シーンになってしまいました。凄い女優さんです。
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