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イン・ザ・ハイツのbibooのネタバレレビュー・内容・結末

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

とにかくラップのフロウとグルーヴが抜群に良いのと、曲が純粋に良かった。特にレゲエバイブスで歌うベニーのラップがめちゃめちゃ上手くて好き。俳優陣が豪華かどうかで作品を見限っちゃダメだなと思った。演者達がもともと持っている技術の高さももちろんあると思うけど、原作兼音楽を作ってるリン=マニュエル・ミランダがヒップホップに造詣が深い人だからゆえのこのラップクオリティなのかなあ。ラップが登場する作品で演者側のリズムがイマイチだと萎えてしまうときがしばしばあるので、個人的に作品全体の好感度がすごく上がったポイントだった。余計なツッコミが全くなく自然と身体が踊った。

また、壮絶で複雑なバックボーンを明るい曲調に乗せて歌い上げるのが素直に泣けた。今の情勢が自分をそういう気持ちにさせているのかもだけど、単純に元気出せとか自己肯定感がガンガン高めな曲だとファンタジーすぎて今はあまり受け付けないところもあるから。3時間弱と若干尺が長いんだけど、そのぶん登場人物一人一人の境遇を丁寧にすくい上げて回収していて情報量も多い。その情報量を、何度も見て咀嚼すればするほど良い映画な気がする。

最後にウスナビは今いる場所でやり抜くことを決めるわけだけど、故郷に戻って穏やかな暮らしをしたいと一瞬でも願っていたから本当にいいの?!とは少しなった。まあでも故郷も故郷で貧しすぎるし場所も荒れているから良かったのかもな…

エンドロール後にアイスのおっちゃん役のリン=マニュエル・ミランダがまた出てくるんだがあのシーンはいるんだろうか…単純に出たがりなんかな…?
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