何となく見たけど、良い映画だった。余談ですが最近自分の映画選びのセンスが冴えており、とても良い気分です。
黒人差別が根強く残る1960年代のアメリカ・ミシシッピ州で、白人家庭に雇われてベビーシッターをする黒人女性たちの経験談を描いた話。
映画では白人の母親たちがあまり育児をせず、黒人のベビーシッターに任せていた家庭が多かった。実情は色々だろうけど、そういう家庭も多くあったのかな〜。
白人の子どもから、黒人のベビーシッターに対して、育ててもらった恩や愛情が残っているのが描かれていて、嬉しい気持ちになった。その恩や愛情が「ヘルプ」という暴露本の出版や、やがて差別撤廃に繋がっていくのだよね。
ローザ・パークスの話なんかを中学校で勉強して、バスの座席が白人と黒人で分かれていたのは知っていた。でもトイレまで白人と黒人で完全に別の棟を使用しており、黒人のトイレは戸外にあって厳格に区別されていたというのを知って、辛いなぁと思った。
1番意地悪な白人女性(ヒリー)が作品中に出てくるのだが、その女は竜巻の日でも黒人に屋内のトイレを使用することを許さなかった。黒人に寄り添うことがどうしてもできなかったのかな…
ヒリーを演じていたのは、まさかのジェシカチャスティンか!いつもクールな役柄を演じているイメージだったからあまり分からなかった。婦人会のリーダーみたいな存在なんですけど、偏見に満ちた憎らしいキャラクターを上手く演じていました。
でも白人女性たちも、働く機会はほとんど与えられず、家庭内で家事と子育てと社交をするなどという選択肢しか与えられず、閉じ込められていたも同然だったからこんな価値観になりやすかったのかな、なんて思った。抑圧されていたせいで閉鎖的な考え方になったり、偏見を持って疑わないことも多かったと思う。
いつも思うけど、差別や偏見が無くなって、みんなが個性を発揮できる世の中になると良いですよね。その為に自分には何が出来るかなぁ、ということをまたぼんやり考えました。