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劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明のesewのレビュー・感想・評価

2.5
2021.8/9 no27

漫画で読んでしまった場合、劇場アニメで見る必要を感じなかった。特段優れた描写があるわけでもなく、卒なくクオリティは高くがっかりはしない造り。

カートリッジにされたプルシュカから白笛が吐き出された時に、すぐプルシュカありがとう、さあポジティブに冒険を続けようみたいになってるのがリアリティなさ過ぎで吹いた。ぜんぜん無理でしょ!人間が猟奇的に切り刻まれて箱詰めされてカートリッジにされ使い捨てられたんだぜ。丸3年ぐらいは心を病んで療養中になりそうだ。無理過ぎである。

メイドインアビスは世界設定や生態系の部分はピカイチなんだけど、物語内での人間との関わりがパターン化されてて薄い。希望のなさを表現すること、それを無残に見捨てられた後と見捨てられる前の日常を描くことで落差を最大限にするんだけど、そこに厚みがなくて。過激で初見のインパクトはあるけど、些細な幸福とグロテスクな現実という落差のワンパターンで、巻が進んでくると欠点が見えてくる。視聴者は、作者の”些細な幸福が欲しい”という憎悪にあてられながら魅力的な大穴の世界に沈んでいく感じであーる。
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