きゅうげん

ゴーストバスターズ/アフターライフのきゅうげんのレビュー・感想・評価

4.1
ここ最近、あまりにも有名すぎる名作の続編へ果敢にチャレンジする風潮がにわかに起こっているきらいがありますが、本作は『トップガン マーヴェリック』にも勝るとも劣らない、映画的にもエンタメ的にも傑作な続編となってます。

多く巷間にささやかれているように、映画内で描かれるスペングラー家の親子関係は、ジェイソン・ライトマンとアイヴァン・ライトマンという作り手側の関係性と重なり、また今は亡きハロルド・ライミスの存在を介することで、とても泣かせる主題となっているのです。
映画史的・文化史的に大きな足跡を残した過去作品をしっかり受け止め、そのうえで当時の人々も新しい人々も協力して頑張る、最高の続編じゃないですか。

何より魅力的なのは新キャラクターたち。
理知的で鋭いユーモアがスマートだし、屈託ない関係性が理想的でほほえましい。とくにフィービーとポッドキャストの幼くも爽やかでかわいらしくも上品なやりとり。マッケナ・グレイス、やっぱりすごい!

ところで現代の映画製作、わけてもフランチャイズという業態において「故人を3DCGで蘇らせる」表現は、非常にセンシティブな危険性をはらんだ問題です。主にSWやMCUなどにみられるものですね。
この問題、正直言って本作が臨界点ではないでしょうか。
それは「幽霊」を取りあつかう映画である前提(というか理由付け)や、そういった表現の冗談めかした利用を了解する文脈が共有されている土壌など、『ゴーストバスターズ』作品だからできることで、これはグレアム・チャップマンの遺灰をつかったモンティ・パイソンのコントとも似たところがあるように思います。

オリジナル・クリエイターであるアイヴァン・ライトマンのご冥福をお祈り申し上げるとともに、しっかりとバトンタッチされた新たな『ゴーストバスターズ』に期待が膨らむ、楽しい続編映画でした!