ダメハム

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場のダメハムのレビュー・感想・評価

3.8
2017年のアク・ロウヒミエス監督作品。1939年~1940年の『冬戦争』でソ連に負けたフィンランドは、カレリア地峡を割譲し国土の10分の1を失ったが、1941年にドイツ軍と呼応してソ連に侵攻、カレリア地峡を奪還する。この1941年~1944年の『継続戦争』をフィンランド側で描いてる。

戦闘描写は飛び交う銃弾と砲弾が生々しく臨場感にあふれた映像で結構見応えあるけど、時々出てくるリズム感のない編集が気になった。
そして基本的に人物描写が浅い。何かと上官の命令を無視する予備役兵ロッカの人物像がつかめなかった。まさかのラストには驚いたけど。4人の兵士を描いているが、なじみにくい名前なので顔となかなか一致しなかったのが悔しい。

領土を奪還してから後の2年以上をソ連との塹壕戦のにらみ合いに費やしたと思ったら、急に撤退戦になるから少しあっけに取られた。ソ連の大攻勢によってカレリア地峡を再度奪われた描写がすっぽりと抜けているのが残念。カレリアが生まれ故郷のロッカの心情をもっと描いてほしかったし、最前線の状況説明がもう少し欲しかったかな。

日本、ドイツ、イタリアと同じ枢軸国・敗戦国の中でフィンランドだけが他国に占領されず独立を勝ち取った強かさには本当に恐れ入るね。

あと、フィンランドの戦争映画は必ずサウナが入っているような気がする。
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