ちゅんせ

燃えよ剣のちゅんせのレビュー・感想・評価

燃えよ剣(2021年製作の映画)
3.7
司馬遼太郎原作は読了。
新撰組結成から崩壊までを土方歳三を中心に早足で凝縮しているので、多少の知見がないと楽しめないかと。暗殺集団の側面を知る上での幕末の見識はもちろん、内部抗争や粛清が人間的で悲劇的な集団なので、さらに楽しむには隊員各々を群像劇として捉えられる見識も必要。

『燃えよ剣』よりも『新撰組血風録』派なので、こちらを再度映像化して欲しい。
後者は隊員各々を主人公にした短編集で完全なる群像劇な趣きがある。
新撰組は仁義なきや東卍同様の複雑かつ青春の暴走という魅力があるのだが、『関ヶ原』同様の筋を追う演出構成で題材を活かせてない感が否めなかった。

内部抗争と粛清が早足なのが不満点なのだが、池田屋事件は濃密だった。これも集結した各藩攘夷派たちの背景など知っているとさらに面白い。
ここで自害したのは誰々、屋根に逃げたのは誰々など脳内補完できる。
しかし池田屋事件も、るろ剣ビギニングのほうがしっかりと時代劇&エンタメしていたと思う。
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