こんなのどうしたって今ヶ瀬目線で見てしまう。
飄々として常に強気で、でも本当はどこかで怯えていて自信がなくて諦めていて。
いつだってそんな気持ちを隠してきたのだろうと思うと胸が痛い。
思ったことを口にする人間より、人に流され曖昧な人間の方が時に他者を傷つけていたりするものだ。
来年もワインを買ってやると言われた時の嬉しそうな様子がいじらしくて可愛くて、その反面自分はこの先こんなふうに人を好きになることがあるのだろうかと少し寂しくなった。
「心底惚れるって、全てにおいてその人だけが例外になっちゃうってことなんですね」
恋をしたことのある全ての人にこの言葉が響いたのでは。