ねこもふ

窮鼠はチーズの夢を見るのねこもふのネタバレレビュー・内容・結末

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

友人に勧められ原作未読で鑑賞。

苦しくて苦しくて見終わったあとしばらくボーッとしてしまった。
今ヶ瀬が大伴に恋した理由がわからなくて少しストーカー的な狂気を感じてしまった(それでもなんだかいじらしくて可愛いと思ってしまう)し、なし崩しにしては大伴が最初から今ヶ瀬を受け入れ過ぎでは?と思ってしまったけど、映画だからある程度描写を省略してるということなのかな?これから原作買って読みます。

行動だけ見たらひたすら大伴に腹が立つけど、
それと同時になんだか大伴の気持ちがすごくわかってしまう。
はっきり好きだの愛してるだのを今ヶ瀬に伝えてなくて、自分を必ず愛してくれると確信してるからこそ
今までの女にしてきたような仕打ちを止められないし
自覚のないまま今ヶ瀬を愛していく自分を認められずにいるのが伝わった。
たまきちゃんに抱く感情が情から来る親愛に近いものから始まったのに、それが異性でわかりやすいから
性愛と思い込ませて、「あっちが俺のことを好きでいてくれるから」って
結婚まで行っちゃったんだと思う。
絶対こんな男と付き合いたくないな。マジで。

今ヶ瀬の好きになると全てが例外になってしまうっていう言葉が本当に苦しくて悲しくて、心臓が痛くなってしまった。
最後に満ち足りた笑顔で灰皿を見つめる大伴に、もう愛情の何もかもを失ったのに
それに気が付かずにひたすら待ち続ける愚かさにとても腹が立ってしまった。
なんで追いかけないんだろう。だからだめなんだよ大伴。頼むからボコボコに殴らせてくれ。でも好きだ。くそ。顔がいいから…

女優さんの演技もすごくよかった。
ほないこかさんのさっぱりした友達ポジションで出てきたかと思いきやのとんでもない悪女ぶりとか(マジでぶん殴りたいけどかっこよくて最高だった)
吉田志織さんの一生懸命で誠実で実直で笑顔が可愛い新入社員ぶりとか、
(年齢が近い分、たまきちゃんサイドの心境にどうしても思い入れせずにはいられなかった。私がたまきちゃんの友達なら大伴こと顔の形が変わるまで殴ってる)
好きにならずにはいられない気持ちが、ぶっちゃけわかってしまう。とてもかわいい。

色々考えさせられたけど、とにかく安っぽい「「BL」」を描きたいだけの作品ではないことが伝わって素晴らしい映画だなと感じた。


セックスシーンはどれも勢いが激しくてぶっちゃけちょっとだけ笑ってしまったが。。。全体的には最高でした。。。
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