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窮鼠はチーズの夢を見るのhskのネタバレレビュー・内容・結末

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

想像してたよりずっとキュートで、ずっと切なかった。パンフレットを読んだり、何時間も考えたりしているけれど、いつまでも思考と言葉をまとめることができない

「キスして」『離れろ』「ケチ」ってやり取りも、ポテチを食べさせるシーン(ここの今ヶ瀬の髪をさらっと撫でる恭一が美しいし、今ヶ瀬のきゅるんとした目がたまらない)も、服を勝手に着ちゃうところも、ぜんぶたまらなく愛おしかった。というかずっとドキドキが止まらなくて、物理的に両手で心臓あたりを押さえながらずっと見ていた。
奥さんがいるのに不倫していてさらにそれを知り合いに隠してもらったり、誰と付き合っても別の人と関係を持とうとしたり、ずっとそうやって最低なことしてきた恭一が、今ヶ瀬との出会いと別れによって愛を知れたのだろう。思い出の椅子に座りながら目の前にはいない今ヶ瀬のことを想っているのであろうラストシーンが染みた。
成田くんの表情や目線は【恋をしている人】のものでしかなかったし、大倉くんは滲み出るクズ具合がやけに似合っていて、お2方の芝居力と憑依力を強く感じた。

2人が2人なりの幸せの形を見つけてこれからもなんだかんだ一緒に生きていてほしいと思う。何度見てもこの作品を上手く噛み砕くことができなくて、喉のあたりにいつまでも残っている感覚が消えない。
1回目に見たときは、もう今ヶ瀬が恭一の目の前に現れる日は来ないんじゃないかと思った。けど、パンフレット読んだ後にもう1度見てから、きっとまた2人が会う日は訪れる気がしています。2人がこのまま終わるのは余りにも絶望すぎる。悲しすぎるから、せめて、私の脳内でだけでもまた2人が一緒にいるところを想像させてください。
2人が、いつかまた、一緒にポテトチップスを食べたり、誕生日を祝い合ったり、また喧嘩したり、仲直りしてカールスバーグを飲んだりする日が来ますように。
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