ハレルヤ

フォードvsフェラーリのハレルヤのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.3
カーレース界の王者であるフェラーリを倒すため、フォードがル・マン24時間レースで過酷な挑戦をするドラマ。

文字通りあっという間の2時間半。ド迫力と鳥肌ものの音響であり、レーサー同士の高度な駆け引きがあるレースシーンが凄いのは当然ですが、ただの熱血カーレース映画だけに留まらない魅力がたっぷり詰まった濃厚な映画でした。

かつては自身もカーレーサーとして名を馳せ、後に凄腕エンジニアとして活躍したキャロル・シェルビー。豊富な知識と神業的な運転技術を持つ孤高のレーサー、ケン・マイルズ。この2人がタッグを組み、時には言い争ったり、殴り合いながらも信頼を深め、確固たる友情を築き上げていきます。

その様子は誤解を恐れずに言うとスポ根映画のような熱さがあり、その2人を中心に周囲のスタッフも含めて一丸となっていく過程が素晴らしい。マット・デイモンとクリスチャン・ベイルという実力派スターの2人の存在が非常に大きかったと思いますね。

大企業ならではの無駄な横槍や面子第一の姿勢も現実的だし、これはカーレース界だけでなく他の世界でも共通項でしょう。

これに加えてケンの妻や息子が、彼を見守る姿も温かく、ドラマティックな良い味を出していましたし、そのお陰でケンが全身全霊をかける様子がより輝いて見えました。

これが実話。だからこそ見てて燃えてきますし、現実的なラストも胸に響きます。車に特別詳しくなくても、誰でも存分に楽しめる映画。実際僕がそうですから。
ハレルヤ

ハレルヤ