このレビューはネタバレを含みます
こんなに時間を無駄にしたと感じさせる映画は珍しい。
所々「？」となりつつも終盤まではそれなりに楽しめていた。問題はラスト約10分。タイトル「ユアストーリー」はこういうことかとは思ったが、まじでどういうつもりでこんなラストにしたのか分からない。ネタバレせずには語れないのでやむなくエンディングのストーリーに触れると、この映画は最後に「これはゲームです。プログラミングされた世界です」と現実に引き戻される。観ている側は当然「はあ？」である。初見でこの映画を観たほとんどの人がこれはドラゴンクエストⅤをそのまま映画に落とし込んだものだと考えているからだ。自分もその1人だった。伏線があったとはいえ、唐突なメタフィクション展開に完全に冷めてしまった。元々自分がメタが嫌いだからかもしれない。しかし、可愛いな、と思っていたスライムが急に低音ボイスで「私はアンチウイルスプログラムだ」と言っても受け入れられないし、愛おしさも一瞬にして消えてしまった。普通にラスボスに勝ってハッピーエンドの王道展開にすればそれなりに面白かったのに(原作のラストは知らないが)。
これではドラクエファンを喜ばせたかったのか突き放したかったのか分からない。自分はドラクエは数作をかじっただけの人間だが、この展開は受け入れられなかった。怒りすら沸く。もし自分がこのゲームの熱狂的ファンで、公開初日に映画館で観ていようものなら抗議の連絡をいれていたかもしれない。ほんとにそんなレベル。ある種の裏切り。
こんな怒りのレビュー書いたの初めてだけど、山崎監督はこれまでも割と賛否両論ある映画を作っているからなあ。映像は綺麗だった(ただ手デカくないか？とは思った)。私はプロの声優さんに声を当ててもらいたいタイプだが、佐藤健はじめ主要キャストはおおむね上手かったと思う。ただケンドーコバヤシは下手だった。また坂口健太郎は下手というより役に合っていなかったと思う。
これに金払わなかっただけ良かったと思おう。久々にこんな酷い映画を観た。残念でならない。とにかく私は観終わってここの平均スコアを見て「意外と高いな」と感じた。それが全てです。
