大傑作。一人っ子政策が進む1980年代の中国。一人息子を事故で失った夫婦を巡る30年。乗り越えるにはあまりにも辛い出来事。しかし人生は進む。どんな時も救いは自分の中から生み出すものなのかも知れない。
さりげなさすぎる時系列の交錯には多少混乱しますが、もうこれ以上何も起こらないでと願わずにはいられない、最後の最後まで気を抜かせない脚本。
壮大な風景と人間の小さな営みの対比が際立つのが中国映画の魅力ですが、中でもこの作品の映像美は特筆。ため息が出そうなカット、カメラワークが満載。日本でもおなじみ「蛍の光」がとても効果的なモチーフ。
厳しい検閲を免れるギリギリの線を狙ったと思わる政治的描写にもグッとくる。3時間の長尺、徹頭徹尾素晴らしかった。