地球外生命体

赤い闇 スターリンの冷たい大地での地球外生命体のレビュー・感想・評価

3.2
『太陽と月に背いて』『ソハの地下水道』で知られるポーランドのアグニェシュカ・ホランド監督が、スターリン体制のソ連という大国にひとり立ち向かったジャーナリストの実話をもとにした歴史ドラマ。

1933年、ヒトラーへの取材経験を持つ若き英国人記者ガレス・ジョーンズは、世界中で恐慌の嵐が吹き荒れる中、ソビエト連邦だけがなぜ繁栄を続けているのか、疑問を抱いていた。ジョーンズはその謎を解くため、単身モスクワを訪れ、外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、疑問の答えが隠されているウクライナ行きの汽車に乗り込む。しかし、凍てつくウクライナの地でジョーンズが目にしたのは、想像を超えた悪夢としか形容できない光景だった。

ガレスの親族をはじめ、映画が事実を歪曲したと批判する者もいる。例えばガレスの姪孫は「ガレスが食人をした事実はない」「食糧徴発、奴隷労働、死体の運搬車両など見ていない」「秘密警察に追いかけられたこともなかった」と製作者側に訴え、主張が事実だと製作者側も認めたにも拘らず論点を逸らして正当化しようとしたとタイムズ紙に寄稿しているとのこと。

【ホロドモール】
1932年から1933年にかけてソビエト政権が意図的に組織した大飢饉。ウクライナ語でholodom holod(飢餓、飢饉)とmoryty(殺す、飢える、枯渇させる)に由来し、それらを組み合わせた【ホロドモール】(Holodomor)は『飢餓による絶滅』という意味である。ウクライナ人600万人以上の人々に対して行った飢餓によるジェノサイドで、350万から500万人が死亡したと推定されている。

欧州連合(EU)欧州議会は2022年12月15日、90年前に旧ソ連領だったウクライナで起きた大飢饉ききん【ホロドモール】が、人為的に引き起こされたジェノサイド(民族大量虐殺)だったと認定する決議案を賛成507票、反対12票、棄権17票で採択した。

★2019年ポーランド映画祭
Golden Lions
Golden Kangaroo
美術賞
★2020年パームスプリングス国際映画祭
観客賞
地球外生命体

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