じう

赤い闇 スターリンの冷たい大地でのじうのレビュー・感想・評価

3.8
第二次世界大戦の少し前、スターリンの5ヵ年計画の最中にウクライナで起こっていた(行われていた)人為的な飢饉による大量虐殺、ホロドモール。

本作中では、ウクライナに入国したあたりから画面がモノクロに変わるのだが、その演出がよりいっそう、現地の悪夢的状況を際立たせており、表面的には豊かに見えるモスクワとの対比も相まって、人間のグロテスクさをこれでもかというほど見せつけられる。

何よりもしんどいのは、これが過去でもなければ、他人事でもないということだ。そして今この瞬間も、少なくとも私自身は、殺される側ではなく、おそらく殺す側にいるということ。
じう

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