第一次世界大戦(1914-1918)
第二次世界大戦(1939-1945)
この間20年くらいは平和な期間があったのかなー(偏差値5の発想)
1933年、イギリス人ジャーナリストのガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)は疑問を持っていた。
世界恐慌が吹き荒れるなかソビエト連邦だけが繁栄を続けている、その謎を明らかにするため、スターリンへの取材を試みるべくモスクワへ向かう。
重く、苦しく、痛みに満ちた真実をベースにした映画。
1933年ごろにソ連領ウクライナで起こった人為的な大飢餓で300万人が餓死したと言われる「ホロドモール」を題材にしている。
「ホロコースト」はよく題材になるけど、「ホロドモール」は恥ずかしながら知らなかった。
ヒトラーとの単独取材の経験があるガレスは冒頭、彼の危険性を公聴会で訴えるも真剣に取り合ってもらえない。この時点ではヒトラーは国際的にはそこまで危険視されていなかったことが伺える。モスクワで知り合いのジャーナリストが不審な死を遂げ、ソ連の繁栄には裏があると確信する。
「ジャーナリストはモスクワから出られない」
遺された情報をもとに監視の目をかいくぐり、ウクライナへの潜入を試みる。
邦題は「赤い闇」ながら映し出されるのは白く冷たい死の世界。表向きは農業改革で成長を続けている国の悪質な搾取を目の当たりにすることになる。
餓死者があふれ、路上に遺体が放置され、空腹を紛らわすために木の皮をかじり、亡くなった兄弟を口にする幼い子供…
映画全体の割合でいえばウクライナのシーンはそんなに長くないはずなのにものすごく長い時間に感じた。
ウクライナから戻ってきたのも束の間、ガレスが味わうもう一つの地獄が皮肉なことに現代的な問題になっている。こういうのを本当の生き地獄っていうんだろうな…