へい

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのへいのレビュー・感想・評価

5.0
喉から出すのは笑いとゲロだけ。

汚すぎる酒場での婆さん3人組と修道士女性の会話で出てくる最高の言葉。3人の服のボロボロさ加減と皮膚の汚れ具合、ベロベロに呑んでいるのがいい。
他にも片方だけサングラスかけて補聴器してる革ジャンの爺さんという強キャラ、他にもジンばっかり飲む爺さんなどヤバい奴ばっかり。小便中に声かけたらダメだな。
一度行ったことがある大阪の新世界のハッテン場を思い出す。怖くて見れなかったトイレの奥はこんなだったろう。

ぶち殴られた後にからしをちんこにつけて金玉蹴り上げる肝っ玉おばさんの首絞められてる時の嗚咽音、顔がインパクトあった。

部屋の再現度が半端ない。特に壁の汚れ具合とトイレの汚れ具合が本当に汚くて家が焼けた後みたいな色してる。年季入ってリアル。何故か女の子の人形が多め。
フリッツホンカは酒が入るとダメだな、兄に言われたように彼女を失ったことが大きかったな。何回も顔面を打ちつけたり、新しい空瓶で頭部を殴ったり人間としてのストッパーを失った狂気を感じる。人体を切る音も全く聞いたことない内蔵と骨が砕ける感じがして不気味。カメラは寝室やキッチンの中からはあまり映さず、常にリビングから覗くような形で映して部屋の狭さが強調されてる。

家族団欒中に上の階のフリッツホンカ家から落ちてくる蛆虫が最高だった。
幸せな家庭では、呑んでるだけの人生で保険には入れず腸から血が出る女性たちが行方不明になったり死んでも誰も気を留めない現実を痛感する。蛆虫が知らせてくれるだけ。
へい

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