KAJI7

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのKAJI7のレビュー・感想・評価

3.9
ブラックブッシュをロックで飲みながらこの作品観て完全にキマりましたね…🥃
この恐ろしい生き物が人間だって?笑わせてくれます。

「平家にあらずんば人にあらず」と平氏は言いました。
平家の人間が最もモラルのある存在だと彼等は確信していたからです。
そうとも人間の本質はモラルなのです。モラルとか、理性とか、そういう崇高さを担保にして初めて名乗ることができた「貴さ」という贅沢。
それを信じられる者のみが人間の資格を得られるのだと思います。

それが如実に分かるのがこの作品。
とにかく画面の全てから滲み出る攻撃と嗜虐の幻影。
酷い、酷すぎて直視しきれない映画でした。

でもだからこそ観ていて考えさせられる、我々の道徳はかくも脆い代物なのか?と。
結局、屋根裏の殺人鬼はそれを教えてくれはしませんでした。

本当は誰だってここまで狂えるのでしょうか?
やろうと思えばいつだって、酒に酔わせて連れ込んで、皮膚にナイフを突き立てて、バラバラにして…そう誰にだって…
敢えてそうしないだけで、人間はいくらだって凶悪になり得るのでしょうか?

この作品を鑑賞して、まだまだ自分のなかで考えるべきことが見つかった気がしました。

ドイツ語の語気の強さが似合ういい映画だったと思います。高評価です!
KAJI7

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