コマミー

イエスタデイのコマミーのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.7
【大停電の夜が起こした出来事】

※脚本が[リチャード・カーティス]ということなので、観てみました。


監督がダニー・ボイルって聞いただけでも、興奮してしまうのに、脚本を担当するのが「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティスと聞いた時、もうウズウズしてしまって仕方がなかった。
二人の英国映画の引き立て役が揃って、どうゆう化学反応が起こるのかと気になった。

皆さんは「ビートルズ」を当然ご存知であろうが、今回はそのビートルズがいかに、"革新的な存在"であることがよく分かる作品であるということだ。
事故で目が覚めた瞬間「ビートルズ」の事について話すと、周りは「?」マークが浮き上がり、なぜか自分だけが彼らの事を知っている。しかも彼らの曲を利用して、まるで自分の曲のように歌い、一躍"スター"になる…。
自分が彼であったら、何とも"複雑な気持ち"だろう。しかも、それをやるには彼らの曲を"一から思い返さなきゃならない"。
まさに、自分が彼らになれる"幸福感"と彼らを"崇める自分"だからこそ、「このままで良いのだろうか?」という罪悪感の狭間にいるのが、この主人公の心境と言えるだろう。

あの"事故と大停電"が起きた瞬間に起きた、"複雑な心境"で過ぎ去る"時の流れ"…、そのさきに彼は何を感じるのだろう…。

だが、この後に登場するある"二人組"と、"ある人物"が、この時の流れを変えてくれるのだが、この「ある人物」が登場した途端、観客の中には"涙を流す"ことになるだろう。その事実に、その方が登場した後に、主人公は"大きな決断"をすることになる。

登場人物に必ずしも惹かれる要素はあまりないのだが、「ラブ・アクチュアリー」でも描かれた「巡り会うことの奇跡」というテーマと、ダニー・ボイルの「スピーディーな演出」、そして、ビートルズがこの世にいたことによる「大きな魅力」が融合して、幅広い年代に楽しめる内容になった。


ビートルズを間近で見たことがある方にも…、

ビートルズが活躍していた頃を知らない、自分を含めその他多くの方にも…、

「ビートルズ」が後世にも通用出来る理由が、"しっかりと伝えられた"作品なのだと、私は思いました。
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