Ayako

イエスタデイのAyakoのネタバレレビュー・内容・結末

イエスタデイ(2019年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

本当に良いものは時代を超えて語り継がれていくんだなと改めて気づかせてくれた作品でした。

完全に”ビートルズ世代”でもなければ、”ビートルズファン”でもないので、各曲の背景など詳しいことにはついて行けずじまいで、完全に映画の世界に入り込むことができなかったのがやや残念。

印象的だったのは、ジャックがアルバムの選曲をするシーンでしれっと自分のオリジナルの曲を入れようとするも、プロデューサーのデブラたちにやんわり却下されるシーン。現実世界だと、他の曲が素晴らしいから、ハロー効果で、なんとなくその曲も良いだろう、自分がよさを理解できていないだけだって周りの人が思ってOKになったりもするだろうに。でもそこで主人公のジャックが、自分の限界に改めて気づかされるし、ビートルズの曲で歌手として売れようとしている自分が本来あるべき自分の姿ではないことに次第に気づいていくある種のターニングポイントとなるシーンだと思いました。

もうひとつ印象的なシーンとしては、ジャックの他にビートルズの存在を知っている2人が、ジャックの楽屋を訪ねてくるシーン。ついに、真実が暴かれ、窮地かと思いきや、素晴らしいビートルズの作品を世に出してくれてありがとうとジャックに感謝するという意外な展開へ。現役のバンドだったら成立しえないけれど、もうすでに活動していない伝説的なグループのビートルズだからこそ成立する展開だなとは思いつつ、良いものを語り継いでいきたい・多くの人に知ってほしいという思いは誰しも持っているから、妙に納得が行ってしまいました。

デジタル化に伴ってめまぐるしく変化し続ける今の時代だからこそ、そのスピードに飲み込まれず、改めて語り継いで行きたい良いものをきちんと捉えて、大事にしていきたいなとつくづく感じさせられました。
Ayako

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