ヴぇる

イエスタデイのヴぇるのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
2.8
正直言って全てにおいて浅いと感じる映画だ。

今作の背景には近年ミュージック映画が当たりハリウッドの流行りにもなっている中作られた作品であり、あらすじの時点で伝記物等ではなく、トンデモ設定だ。希望としてはその設定に沿った脚本に重きを置いて欲しいと願っていたがそれは叶わなかった。過去の偉人の名曲を扱う最近の傾向には食傷気味で、この題材を扱えば簡単にヒットするだろうという制作側の意図が透けて見える。

脚本は設定が全く生きていないし、人物描写はイライラする人間のオンパレード、これのおかげで感情移入は皆無だ。さらに話に抑揚はなく、ラブストーリーはしつこ過ぎる上に浅い。無駄に時間を消費しただけだ。またシリアスな場面に邪魔が入るのが心底イライラを募らせた。
力を手にした男は代償を差し出すことなく、終ぞ何故そうなったのか語られることや究明は一切なかった。
加えていえばなぜ最後にバラしたのか葛藤や胸中を吐露する場面があったか不明で理解し難い流れだ。

エド・シーランが出演しているという事が視聴の大きな理由だったが、視聴後はその1点のみ以外語る所はない。

総評としては、全体的に非常に浅くこれからのミュージック映画がこの流れを汲まない事をいのるばかりだ。
ただ、世間的な評価はまずまずなので恐らくこの流れは続いていってしまうのだろう。
個人的にはDVD収録のもうひとつのラストの方がまだこの物語に相応しい気がして好みだ。
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