木曳野皐

イエスタデイの木曳野皐のレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
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レトロな雰囲気を引っ張って来たかと思えば急に現代チックなビビットの文字が出てくるこの感じ、私好きだった。
だってこの時代にThe Beatles題材にしてるんだもの、表現の仕方エグい、天才なの?
「聴いたことあるけど曲名一致しません」が日本人で1番多いのがThe Beatlesだから(偏見)、流れてくる曲の端っこに思い出が持てるのはいいなと思った。
The Beatlesファンだったら捉え方違うんだろうけど。

まぁこれはifの話で、「もしも世界からThe Beatlesが消えてしまったら」が本題なんだろうけど、私には「名声を手にした人の苦悩」に感じた。
パクリでもパクリじゃなくても、罪悪感の重さに違いはあるにしろきっと売れてない時代からのファンは大切だし、売れてからの環境に慣れるには時間がいる。
なんだか在り来りな「失ってから気付くもの」の多さに打ちのめされた気がした。

ただ言うのであれば何故あの3人だったのか、何故The Beatles以外にも消えてるものがあったのか、もっと深堀して欲しかった。
時代背景に詳しければ分かるのかしら?
そもそもyesterdayを謳うならあの世から消えるのはThe Beatlesだけで良かった気がしなくもない。
その他諸々も消えてしまっているせいで謎が増えて背景がぼやけた。


でもあの結末は好きだったなぁ。
あんなん、抱きしめたくなっちゃうよね。誰だって変な青年になるよ。
やっぱり好きに生きるという事は敵を多く作るんだろうか。
だから追い込まれて死が早いのかな。
何かを失い何かを手に入れる以外に道は無いのかな。どっちも欲しいじゃ駄目なのかな。
なんかずっと心に引っかかってるなぁ。

イエスタデイのパラレルワールドは少し寂しくてでもやっぱりちょっと面白くて、なんだか人間臭くて愛しかった。
でももっと音楽掘り下げて欲しくて、恋愛要素多すぎてキャビンは悲しくてやってらんない!キャビン私が貰いたいな…


あとエド・シーランにリュードの責任押し付けるの良くないぞ!!!www
木曳野皐

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