こなつ

ピリオド -羽ばたく女性たち-のこなつのレビュー・感想・評価

3.8
第91回(2019年)アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞受賞作品。
製作はアメリカだが、インドのある村のドキュメンタリー。

「パッドマン 5億人の女性を救った男」でモデルになったアルナーチャラム・ムルガナンダムも登場。パッドマンは劇場で既に鑑賞済み。彼は低価格で衛生的な生理用ナプキンを発明して有名になった人だが、このドキュメンタリーは、インドの田舎の村に機械を導入し、安価な生理用ナプキンの製造を試みて販売しようとする女性達の話である。

インド映画を鑑賞すると、いつも感じるのは格差社会と男性優位の現状。特に貧困層や地方部では女性の地位が低く、宗教的なこともあるかもしれないが、進学や就労の女性の割合もかなり低い。

宗教と慣習に長年囚われていたインドでは、月経中の女性は「不浄」だとする考えが根強く、女性達の間でもその話はタブーとされてきた。不衛生な布で処理する事が不妊や感染症を引き起こすことさえ知らない。

村の女性達は生理につきまとう悪いイメージを払拭し、女性の経済的自立を促そうと立ち上がる。これによって衛生環境が改善されるだけではなく、生理がタブー視されているインド社会への影響にも繋がるのではないかと観ていて感じた。

機械の操作方法を一から学び、自分達で製造したナプキンが果たして売れるかどうかもわからず、とりあえず各家庭を廻り説明しながら訪問販売したり、説明会を開いたり、地道な努力を続ける彼女達の表情はとても明るい。

「パッドマン 5億人の女性を救った男」もなかなか面白かったが、このドキュメンタリーもたった25分なのに前向きな女性達の姿が眩しく、見応えのある作品だった。
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