モスマンは実在する

ビハインド・ザ・カーブ -地球平面説-のモスマンは実在するのレビュー・感想・評価

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地球平面説によって人生が充実してきた男と矛盾を抱えた人達のドキュメンタリー。地球平面説を唱える人達についても最初は珍しげに思えるが、言ってることがあまりにもワンパターン。想像力が願望に邪魔されてる典型的な「偏った人達」だった。仲間内でシコシコ言い合って思想の濃度を高め、なにかと敵を見つけることで仲間の団結を高めているのも普遍的なやり方。

地球平面説信者に対して科学者側は「彼らだって何かを探求する気持ちにおいては科学者になれたかも。方向が違っただけ」みたいなことを言ってて優しい。科学者側からも信者に歩み寄ろう、頭ごなしに否定しないようにしようね、というスタンス。
 そうは言えども信者のなかには「NASAはヘブライ語で”欺く”なんだぜ」とか言う人もいて大変。キリスト教的な地盤の上に地球平面説をこじ付ける人も多いようで根が深い。

本作はマーク・サージェンスという、ある地球平面説コミュニティの中心核の人物を主人公に据えて撮影されている。この男は何かにつけて説明するときに映画の台詞を引用して話すので個人的には共感しまくった。そういうタイプの男が、地球平面説を信じることでコミュニティの女性と親しくなって毎日が充実!みたいになれば、もう一生このままでいいんじゃね?となるのはよく分かる。羨ましい。

何に増して、劇中でマーク・サージェンスとパトリシア・スティアが仲良さげにしている様子が楽しそう。二人でスミソニアンの国立航空宇宙博物館とかに行ったりしちゃって、その後にNASAに乗り込むぞとか言ってイチャイチャ見物に行ってる。夢のようなシチュエーションで無茶苦茶羨ましい。

マーク・サージェンスとパトリシア・スティアがNASAの倉庫で撮影した解説動画↓
https://www.youtube.com/watch?v=7oa63ibr8YU