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アンダー・ユア・ベッドのrosechocolatのレビュー・感想・評価

アンダー・ユア・ベッド(2019年製作の映画)
3.9
自分は「忘れられた存在」なのではないか?自分自身に対しては諦めしか抱いていなかった主人公が、人生の短いひとときだけを胸に抱えて生きる。

たったひとつの望みを抱きながら彼女を見守る、一歩間違えばそれはストーカーとなんら変わらないし、単に自分の欲望だけでつきまとうのは同じなのに、何故だかヒーロー感というか、がんばれがんばれと応援したくなってしまう不思議は、たぶん高良くんならではのキャラなんだろうなあ。お得な俳優だ。

それにしても西川可奈子さんが素晴らしかった。世の男たちを虜にせずには置かないシズルな女子とは裏腹に、絶望的な毎日を送る主婦も演じ分けて。よくよく見たら『私は絶対許さない』でも好演してましたよね。あれも熱演でいい作品だった。彼女は身体を張った演技がこちら側にも入ってくる女優さんだし、おそらく他の人だと二の足を踏んでしまうような、それでいて演じたら絶対に肥やしになる役を堂々とやっている。
暴力シーンは目を覆いたくなるほどだったけど、だからこその作品の完成度にも関わってくるものなので、それをリアルに演じるのはどれだけ大変だったと思いますが絶対にプラスにしかならないので。これからも期待したいし彼女の作品はチェックしたいですね。
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