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アンダー・ユア・ベッドのfilesのレビュー・感想・評価

アンダー・ユア・ベッド(2019年製作の映画)
4.8
もし、最近、ただ漠然と日々を過ごしていて、「このままでいいのかなぁ」と思っているのなら、この映画を観にいってください。
観る前と後では世界が変わります。

五感を刺激するようなシーンの連続です。目を塞ぐこともたびたびあり、途中で体が震えてきました。そういう作品は初めてでした。それだけ三井と千尋と健太郎の孤独の感覚が心と体に深く入り込みました。安里監督が、映画を通じた心のえぐり方を知り尽くしている感じがしました。

誰かの生活と同化することで生きる実感を得ようとする。虚しさを、閉じた空間で単調な方法で解消しようとする。出口のない辛さに望みを失っていく。
R18なのは暴力描写があることが直接の理由ですが、18年も生きていれば、誰しもそんな感情を持ったことが一度はあり、彼・彼女らの振る舞いが他人事ではなくなるからかもしれません。

それから、映画の後に読んだ原作で、三井、千尋、健太郎の過去の歴史が分かりました。だから映画を観た方は原作を読むことをお勧めします。ただ、小説と映画では表現方法がちがいました。絵で、デッサンが同じでも色の塗り方がちがうと全く印象が変わるがごとく。

映画館に観にいってください。忘れられない夜になります。

※filmarks初投稿の映画
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