つエ

サイダーのように言葉が湧き上がるのつエのレビュー・感想・評価

4.1
夏の夕方に観るとぴったり

郊外のショッピングモールといえば、実写の邦画だと行き止まり・限界の象徴のような場所として描かれていることが多いのだが、アニメの手にかかると極彩色、こうも明るくポップになるものかと新鮮に感じられた

今作のメインになるのはコンプレックスを持つもの同士のボーイミーツガールなのだけれど、それを歯医者があったりデイサービスがあったりと、地方の生活にしっかり組み込まれているモールを舞台に展開することで重層性を持たせ、夏の持つ普遍的なノスタルジーをより強く感じさせるストーリー構成が見事

限られた環境のなかでも、動画配信と俳句という新旧のツールと"好奇心"を駆使して周りにあるものや自分達自身を肯定していく主人公たちが、夏にふさわしく爽やかだった

夏祭りも花火もない今から観ると一層眩しい作品
劇中のキーアイテムとそっくりな凝ったつくりのパンフレットも要チェック!
つエ

つエ