炭酸煎餅

ブラック・タイガーの炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

ブラック・タイガー(2017年製作の映画)
3.9
海老とは関係ない巻き込まれ系ドタバタアクションコメディ。
アマプラの"見放題終了間近"に出てきてた作品で、オーディオ言語の「Bahasa Melayu」って何語……?と思って検索したらマレー語(マレーシア語)の事だったのが珍しくて観てみたんですが、結構面白かったですね。

日本で映画産出国としてあまり聞かない所が製作の映画というとなんとなく色々こなれてない感じや小ぢんまりした感じを受けることが多かったりする気がしますが、本作は撮り方やアクションなど、ハリウッドA級とまではいかなくても米テレビドラマくらいのこなれ感と規模感は感じられ(綺麗な車を何台も派手に壊して炎上もさせたりとか)テレビ放送の映画番組のラインナップで普通に流れてても特に違和感のなさそうな仕上がりになっているように思われました。
(実際、これを観た後で気になってちょっと掘ってみたらマレーシアでは結構幅広いジャンルの作品が色々制作されており、日本でもどうやら「アジア映画通」クラスタ周辺でこそあるもののそこそこ知られているカテゴリになっているようでした)

マレーシアの住民は華僑率が結構高いらしく、そういった文化的な縁の近さもあるのかアクションシーンもカンフー的な拳法の動き(「シラット」ってやつなんでしょうか?)を取り入れた肉弾戦で演じられており(そこから派生してか銃を持った同士でガン=カタみたいなシーンもあったのは笑いましたw)、出演者の顔立ちもあって日本人からすると香港映画的な馴染みのある雰囲気で観られる映画なのではないでしょうか。(ボケなのか何なのかは分かんないんですが、全然アクション系に見えなかったキャラ達がタツジン的な動きで急にビシバシ戦いだす展開も楽しいw)
最初に書いた通りコメディなんですが、「正体不明の仮面の殺し屋」を核に人違いと騙し合いとすれ違いを絡めた結構凝った脚本になっており、ストーリー的にも結構見ごたえのある筋立てになっているように思えました。

ちなみにこれ、最初に出てくるタイトルに思いっきり「2」と付いてて実は続編らしいのですが(邦題では「カンフー・マフィア」となっているのが前作)、前作要素らしいのは時々出てくる「それ何の話?」となる所くらいでしたので、これから(だけ)観ても特に問題なく楽しめるのではと思われます。
ちょっと知ってるようでちょっと違う文化に触れられるという点でも興味深い映画かと思いますので、もしも興味がわいた方があれば一度観てみてほしい作品ですね。
炭酸煎餅

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