なちゅん

マウトハウゼンの写真家のなちゅんのレビュー・感想・評価

マウトハウゼンの写真家(2018年製作の映画)
3.9
言葉を選ばずに言うと「きっつ…」というところ。

こういう事実ベースのものは脚色が強かったり、そんなあほなと思うこともまあまああったりするけど、言うても「映画という芸術作品」であって「当時その場所でビデオカメラを回したドキュメンタリー作品」じゃない以上、どうしても仕方ないことだと思う。
その中でもこの作品はその実物の写真があるから一気に真実味を帯びる。それを守ろうと奔走した人たちが確かにいて、確かに生き延びて、ネガを公開してナチスの悪事の限りを話した結果なのだから。

というのがグッと迫ってくるのがエンドロール。あのやるせなさ。
先にああ書いたけど、実話ベースのものは「でもフィクションですしね」と思いたくなる時もある。そう思えなかった時の無情感というのか。
ナチスのあのカメラマンが「私の作品は無事なんだな?」って言った時にも感じた。フィクションであってほしいと思う一言だったけど、あの状況下で敢えて描かれたということはきっと本当だったんだろうな。作品、かあ。
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