ホランイ

金の亡者たちのホランイのネタバレレビュー・内容・結末

金の亡者たち(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

前半の、無名大学出でヨイドの大手の株取引会社に入社出来たものの、コネもなく成績不振で、飲み会で酔って床に大の字になって泣く情けないイルヒョンも良かったけれど、後半、高級マンションや高級スーツや時計、ヨイドの花と言われる美人の彼女も手に入れて、一度は有頂天になったものの、ボノビョの手先になった者たちの不審な死を知り、自分もボノビョの監視下にあるということがわかって、追い詰められて顔つきが変わっていくところが良かったです。
本当は両親を思う気持ちが強いのに、父親の見舞いに行って要らないというのに鶏粥を食べていけと言う母が、使い捨ての容器を洗って使っているのに腹を立て『そんなの使うなよ!金は送ってるだろ!いつまでも貧乏たらしくしてるなよ!』と言いながら棚の上の食器をなぎ倒すところ。ショックを受けた母に、もう来ないで、と言われて廊下に出た後、顔を覆っているイルヒョン。
全て済んだあと、地下鉄でやっと空いた席に腰を下ろし他の乗客に目をやると、何かのテキストを熱心に読むOLや仲良しの母娘、ふざけ合う女子高生、と、今まで自分が置かれていた状況とはまるで違う、平凡な日常を生きる普通の市民の生活が眼の前に広がっていて、それを見たイルヒョンは少し笑って、目を閉じて頭を後ろの壁につけるのです。
派手な見せ所はなかったけれど、ジュンヨルの良さがそこここで感じられる作品でした。
韓国で言われたように、リュ・ジュンヨルではなく、本当にチョ・イルヒョンという若者が遭遇した経験を見せられたような感じで、台詞のトーンに真実味がありました。
このあとイルヒョンはどうやって生きていくのか、知りたくなりました。
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