いかえもん

大菩薩峠のいかえもんのレビュー・感想・評価

大菩薩峠(1960年製作の映画)
3.6
市川雷蔵作品デビュー!
フォロワーさんのレビューに次々と上がってくる市川雷蔵氏の時代劇作品。興味はあれども、時代劇チャンネルとかに入るほどの勇気はなく、かといってメジャーなサブスクではほとんど配信がない。
この度BS12で大菩薩峠3部作+雪之丞変化を放送するとのことで、毎週録画しております。

で、まずは先週観た「大菩薩峠」。
てっきり主人公がヒーローの映画だろうと思っていたら、なんかすんごい屈折した悪役みたいな役どころで、不思議な話だった。
大菩薩峠でいきなりおじいさんが斬られちゃうんだけど、その斬ったやつが今回の主役、市川雷蔵さん演じる机龍之介。
剣の腕はすごいけど、傲慢さもすごいという設定。
剣の試合があるんだけど、兄は龍之介さんに敵うはずがないからなんとかしてくれと頼みに来た妹、お浜ちゃんを、そんなんできるかい!といってはねつける。まあそこはわからんでもない。真剣勝負だからね。しかし、その後、その妹を手籠めにしちゃって、ええ~?!だし、それがまた実は妹じゃなくて奥方だったという悲劇。そして、そのことが夫に知れて離縁され龍之介と夫婦になるんだけど、幸せではない暮らしをすることになるという、なんか思ってた時代劇とえらいちゃうなーと思いつつ見ました。
で、この龍之介の嫁さんになったお浜ちゃんの義弟(元旦那さんの弟)が、龍之介、許すまじ!と復讐に燃えて追いかけてくるという話が大筋。

昔よくコントで見た帯がくるくる~ってなって、「あぁ、おやめください!どうか~お助け~」っていうのをリアルで見ました。そのほどけた帯が水車にかかってカタカタとなるというのが、なかなか演出が凝っているなぁと思った。他のところもだけど、この時代のカメラワークはなかなか素敵。

しかし、ラストが一応の結末を見て終わるのかと思いきや、こんなところで終わり?!っていう終わり方で、びっくりした。この時代のってちゃんと終わるもんだと思い込んでた自分が悪いのだけど、タイトル「大菩薩峠」でなんていうか完結してそうやん?なのに「終 第一部」って出て、なぬー?!ってなりました。これ劇場観に行った人はわかってて行ったんだろうか?と心配になった。それならせめて「大菩薩峠 第一部」とかいうタイトルにしてほしい。

とりあえず、この弟くんと机くんの対決がどうなったのか続きます。