このレビューはネタバレを含みます
愛すべき者から湧き上がるマジカルな瞬間を求めて、映画らしい神がかった主人公が歩いていく。
押し付けがましい一歩手前で、ギリギリの面白さを保つ。
後半、やはり震災かぁ・・・とゲンナリするが、その空間が、明日へとワンカットで繋がるところなど工夫はされている。
それでも残るゲンナリ感がさらなるクライマックスで、狐につままれたようなインチキさにコロッと騙され、まんまとその外連味にニンマリした。
そうだ、『湯を沸かす〜』の監督だ、とラストのラストで思い出す。
なかなかの展開にして、ハッとする演出の、フレームの瞬間はないにしても、二宮と妻夫木の名演が際立つ。特に主演をやらせても巧い妻夫木が助演の何たるかを見事に披露している。