柏エシディシ

ラストナイト・イン・ソーホーの柏エシディシのレビュー・感想・評価

4.0
TIFF先行上映にて。
エドガー・ライト・ウォッチャーとして製作発表された時からむちゃくちゃ期待していた本作。
期待に違わぬ面白さ!というか、好き過ぎる!

まだ観れていない方も多いと思うので具体的な内容は極力避けて、以下、書きます。
公開後追記するので、またお会いしましょう……w

エドガー・ライトによるロンドン賛歌でありブリティッシュロック賛歌でありホラーサスペンス映画賛歌。
なーんだエドガー・ライトの映画っていつもそういうモンじゃない?って言うことなかれ。
本作はキャリア四半世紀の成熟もしっかり見受けられ、その成長こそファンとしては嬉しい驚き。

エドガー・ライト作品って対象に対する過剰な思い入れや含蓄が大量に放り込まれがちだし、ファンもそれを愛しているとは思うのだけれど、今回はとにかくデコラティブにいくより、必要なオマージュや演出を適所で適量に投入するさじ加減が絶妙。
あくまでストーリーやキャラクターを魅せる為にすべてが機能している。
それが潔く、気持ち良い。
「ベイビードライバー」でも感じていた映画作家としての進化がより深化している。
さらにテーマ性としても、"ボンクラ、ブロマンス、ピーターパン症候群"というエドガー・ライト的なものから一歩外に踏み出した、よりモダンな批評性が組み込まれていており、個人的にはベイビードライバーで唯一気になっていたヒロインの扱い方に対するセルフアンサーの様にも感じて感心した次第。

世代的に、いろいろ楽しいこと(悪いこともw)教えてくれるニイちゃんみたいな存在だったエドガー・ライト。
これからもその背中を追いかければ、面白いトコロに連れて行ってくれそうだ。
柏エシディシ

柏エシディシ